CMに出るような会社=良い会社とは言えない
就職活動をしていく中で、若者たちは様々な挫折を味わったり自分の価値観と親や世間の価値観との狭間で悩んだり苦しんだりしています。
その一つに、大企業志向が背景にあるのではないでしょうか。
親は世間が知っているような大企業に就職してほしいと願います。
大学生などの若者も、テレビのCMに出ているような自分が知っている大企業にばかりエントリーシートを出しています。
しかし、エントリーシートを出しても出してもなかなか内定が貰えないどころか、面接にまで漕ぎつけることすらできないというケースも珍しくありません。
親は、「面接にも行かないでパソコンの前で遊んでばかりいる」と言うように勘違いしてしまいがちですが、今の就職活動はまずはパソコンで企業選びをしてエントリーシートを出すことから始まります。
出しても出しても内定が貰えない時に、大企業をあきらめて中小企業も考え始めるというケースが多いようです。
これは妥協かもしれません。
しかし、これは妥協ではなく視野を広げたとも言えます。
何も大企業だけが良い会社ではありません。
CMに出るような会社=良い会社とは言えないのが現状です。
中小企業の中にも世界に誇る技術を持っている企業も沢山あります。
大企業ができないことをやっている中小企業も沢山あります。
CMを放映していないから、知らないだけなのです。
とある大手の銀行の話
また、大手の銀行に入行できても、3年後に残っている人は半分もいないという銀行もたくさんあります。
仕事が忙しく残業が多いということの他に、土日は中国語や韓国語を覚えるためにスクールに通うようにと指導されます。
そのため、土日も半日潰れてしまって自分の時間が持てないうえに体を休める時間も持てません。
ある銀行では、寮にはたとえ親であっても1階のロビーよりも先には立ち入ることはできません。
熱を出して唸っている息子の様子を見にいこうと思っても、インターフォンで声を聞くか1階のロビーまで下りてきてもらって少し話をすることしかできないのです。
そして、勤務中に幹部の人が寮の自室に入って部屋の中を隅々までチェックされます。
何をチェックしているのかと言うと、銀行のお金を勝手に持ち出していないか等です。
お客様の大切なお金を扱っているのですから、過去にそういう事をした行員がいるのなら、それくらい厳しくチェックしないとダメなのかもしれませんが、預金通帳を見て「君はお金の使い方が荒いねえ。
この5万円で何を買ったんだ」などと追及されることもあるのです。
こういったプライバシーを侵害されるような厳しいチェックが嫌で、辞めていく人も少なくありません。
身内が危篤になったときの話
また、大企業でよくあるエピソードに身内が危篤状態になった時のことが話されます。
危篤の連絡を受けて上司に報告すると「段取りが付いたら帰っていいよ」と言われます。
しかし早く段取りがつくように手伝ってくれる人は誰もいません。
みんな自分の仕事で精一杯で、人の事など構っていられないのです。
結局、朝の10時ごろに危篤の連絡を受けて、昼食もろくに食べずに目いっぱい頑張っても段取りが付いたのは夜の10時と言うことも珍しくありません。
この大企業に勤めている人には弟がいて、その弟は中小企業で働いていました。
朝の10時に危篤の連絡を受けて上司に報告すると、「ここはいいから、すぐにタクシーを飛ばして病院に行きなさい」と1万円札を手に握らせてくれたそうです。
小さな企業で働く弟の方は午前中の11時前には病院に着くことができたのに、大企業で働く長男の兄が病院に着いたのは夜の11時でした。
葬儀の後も、兄は仕事を休むことができませんでした。そして、その2年後に兄は大企業を退職しています。
大企業に勤めていた経験を活かして、自分で会社を設立しました。
大企業と中小企業のメリットデメリット
大企業に入社した人の多くは5年以内に辞めていきます。
大企業に入社することのメリットは、名前の知れた一流会社で働いていたという経験を活かすことができる事でしょう。
しかし多くの人は「大企業はいつまでもいる所ではない」と言います。
それに対して中小企業に入社した人は、比較的ずっと辞めることなく働き続けるケースが多いです。
アットホームな雰囲気で、上記に紹介したエピソードのように、助け合って仕事をしている所が多いです。
社員数が少ないからこそ、チームワーク良く風通し良くを心がけているのでしょう。
テレビにコマーシャルを放映しているような会社に入社したいと考える人は多いです。
しかし、そのコマーシャルにはどれくらいの費用がかかっているのかを考える人は少ないです。
入社してから初めて、「ああいうコマーシャルを制作するだけのお金があるのなら、僕らの給料に回してほしいよ。いったいどれだけサービス残業をしていることか」などと愚痴をこぼすというパターンが大半です。
大企業に入社することのメリットデメリットをもう一度考えてみましょう。
妥協ではなく、視野を広めて中小企業という選択肢もあるのです。
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