将来の目標についての質問
就活面接では、必ず、「将来の目標」について質問されます。
本来、就活生としては、就活先を決めた段階で明確に答えを持っているべきですが、なかなかそうもいかないようです。よく「御社に将来性を感じてその中で自分の全てをかけてみたい」とか、「御社の中で仕事をする中で自己実現を果たしたい」などと答えます。
ですが、これらは非常に抽象的で試験官には響かないものです。
面接での回答は、“いかに試験管の心に響くか”が大事なので、キャリアプランを考えた上で具体的な「目標」を回答すべきです。
ここで「目標」という言葉を考えてみます。
「目標」は「抱負」や「意志」とは違います。
「目標」を考える時、2つの点で考えを整理すると良いでしょう。
その1つは「ビジョン」で、もう1つは「当面目指すもの」です。
この2つは、どちらが欠けても不十分な印象を与えます。
では次に、この2つについて考えてみます。
『ビジョン』と『当面目指すもの』
まず「ビジョン」ですが、これは抽象的なものでかまいません。
ビジョンの良し悪しは、聞いた人が発信者の想いを感じられるかどうかです。
「多くの人々が幸せに感じるような製品(就活先によってはサービスなど)を届けたい」というように、抽象的であるがあなたの想いが表現されていることが大事です。
その想いを、就活先の事業に絡めて「〜したい」と夢を語るのです。
ビジョンは“行動を通じた夢”とも言えるのです。
次に「当面目指すもの」ですが、これは勿論、ビジョンに関係したものでなければなりません。
当面のものとその次のものと続けていくと、ビジョンが実現できる。
証明できなくても良いので、自分はそう信じている、というストーリーがあることが大事です。
このストーリーがあることが試験管の心に響くのです。
また「当面目指すもの」は大きすぎてもいけません。
あまり大きすぎると、『そんなもの実現できるわけがない』とネガティブな印象を持たれてしまいます。
「当面目指すもの」は小さなゴールとし、『それなら頑張れば実現できるかも』と思ってもらうことが大切です。
「社内で積極的に活動して、自分の考えを少しでも多くの人に知ってもらう」とか「1年以内に、自分に何ができるかを明確にする」など、具体的な行動が見えることが大事です。
キャリアプランをもつ
仕事が始まると、事業目標としては「売り上げは対前年度120%」などと数値で定量的に示されます。
しかし、就活生としてはここまで定量的な“目標値”は示す必要はなく、社会人としてその会社の中で成し遂げるべき事、自分の存在価値、などが伝われば良いでしょう。
そのためには、「将来の目標」とともに、大まかでも良いので、キャリアプランを持つことが大事です。
20代、30代、40代、そして役割として何を意識するのか、などなどです。
20代
20代は、長い就労生活の中での下地を作る時期です。
20代で色々なことを吸収し、会社の中での自分の立ち回り方などを見つける期間と自覚してください。
逆に言えば、多少の失敗は問題にせず、積極的に貪欲に活動して、まさに「吸収」するのです。
その中には、組織の中での力関係とか社内の不文律(明文化されていない社内ルールなど)も含まれます。
30代、40代以降
よく、30歳は、社内での位置付けが決まっている歳、といいます。
会社は、将来性があるのか無いのか、幹部として成長するかしないか、などをみています。
具体的に言えば、30歳の段階で一般社員から一段上がったところにいないと、30歳過ぎてからの昇進は難しいかもしれません。
それくらいの覚悟を持ってください。
30代からは、会社の事業へ実質的に貢献する期間です。
リーダーとか主任として、若手もまとめて1つの事業テーマ(プロジェクト)を推進する役割を発揮する時です。
40代以降は、マネジメント職としての役割発揮が求められます。
このような大きな目安をもとに、キャリアプランを作ってください。
その中で「ビジョン」や「当面目指すもの」あるいは“将来の目標のストーリー“を語れるようにしてください。
抽象的な答えにならないために
「ビジョン」や「当面目指すもの」や「キャリアプラン」やこれらのストーリーは、一日にして明確になるものではありません。
それは、思考の「拡散」と「収束」を行うことで明確になります。
付箋紙などを使用して、自分の考えを書き出し(拡散)、テーブルの上で並べながら整理する(収束)。
収束させながら付箋紙を書き直したり、取捨選択しながら考えをまとめるのです。
その行為は少し手間ですが、「将来の目標」に正しく答えるためには、「急がば回れ」というがごとき作業は必要なことです。
このような作業を怠ると、冒頭のような“抽象的な答え”を述べてしまいかねません。
これから就活も佳境に入ります。是非いまの段階で、一度冷静に「ビジョン」や「当面目指すもの」や「キャリアプラン」など“人生のストーリー”を考えてみてください。
それは、“試験官に語ってみたい”と思えるような大きな自信になると思います。
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